理想的なRatio.05

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*** …撮影は、至極順調に進んでいた。 そう、順調に進んでいたのだ。 『では、本企画の成功を祈って!』 こんな時間に、かんぱーい、なんて。 そんな声を聞くことになるとは。 現在の時刻、17:30。 嬉しいやら、悲しいやら、定時きっかりな時間である。 ことの流れはこうだ。 最後の写真撮影も時間を押すことなく終了し、スタジオに残ったのは最初から最後まで携わっていたコアメンバーたち。 急ピッチで進められていた撮影のせいでずっと缶詰状態だった人もいて、せっかく早く終わったから企画成功を祈って前祝いしよう、なんて誰かが言い出して…。 伸びることを予測して夜に仕事を入れていなかった人がほとんどで、ほぼその場にいた全員が参加することに…。 私はおいとましようとしたんだけど、一杯だけ!なんて先日挨拶を交わした撮影をまとめていたディレクターさんと思わしき方に声をかけられて…。 「相原さん!飲んでますか!」 「は、はぁ…」 F社の担当さんは、すでに酔いモードである。 戻ってきなさいと言われるのを期待して会社にかけた電話口、「せっかくだから行っておいで、タイムカードは押しとくわよ」なんてやたらと優しい声で課長に促されて、それこそ逆らえなくなってしまった。 本当に厄介なことになった。 撮影中、一度も結婚したい男No.1と接点なく過ごし、このまま乗り切れるんじゃないかと思っていたところでこの展開…。 なんで私がこんなに焦っているかというと、その…。 「あー、ダメっすよ、  相原さん病み上がりなんだから」 「そうですよ!今日は無理せず」  [もやしくん] [私] [結婚したい男No.1] [村木さん]           テーブル  [カメラマンさん] [F社の担当さん] [撮影Dさん] [ADさん] 「(なんでこの並び?!)」  
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