狼になりたい

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俺はひかるの小さな手を握りしめた。ふわふわして、冷たくて小さな。 でも俺のために、いろんなことを受け止めてきてくれた手だ。 「だめだよ、コウちゃん。……そんなこと」 とうとう泣き出したひかるの身体を、俺はもう一度そっと抱きしめた。 「ありがと、ひかる。お前のおかげで俺はもう、充分夢を見た。だから今度はお前が、お前の夢を見ないと」 ひかるは頭を小さく横に振った。ひくひくとしゃくりあげながら呟く。 「だめだよ、コウちゃん……だめ」 俺は思わず笑った。なんだか今夜はすごく笑える。
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