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もっとたくさん、お前に言いたいことがある。
でもその瞳を見ていると俺はいつも甘えて……結局何も言わなかったよな。
俺はひとつ、息をついた。
「ひかる……今じゃなくていいからさ、俺の子供を産んでくれよ」
え?と動いたひかるの唇をもう見ないで、俺はその身体を抱きしめた。
俺はこの小さな身体に、どれだけ救われてきたんだろう。お前の強さに、そして優しさに、どれだけ甘えてきたんだろう。
手遅れになる前に俺は、それに気づかなくちゃいけない。
「それが、今の俺の夢だ」
俺は絞り出すように言った。
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