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ちょうどひと駅ぶん歩いて「お弁当の店・もみじ」の裏口に着くと、待っていたかのようにひかるがドアから姿を見せた。
「コウちゃん!」
いつもひかるは、まるで子猫みたいに俺の腕に飛びついてくる。
その無邪気なしぐさはまるで出会った頃の少女のまま、少しも変わっていない。
「ほら、店長がチキンくれたからさ、あとで一緒に食べよっ!」
ああ、うんと頷きながらビニール袋を受け取り、俺たちは駅前広場まで歩き出した。
ここからは、横断歩道を渡ればすぐだ。通りはクリスマス気分のご機嫌な人たちであふれている。
「今日は忙しかっただろ?」
「そうそう!クリスマスイブだからねえ。オードブルもお弁当もほとんど売り切れで、もうすごかったよー!」
ひかるは俺の腕にしがみついたまま、弾けるように笑った。
ほら、こんなしぐさもまるで、子猫みたいだ。
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