狼になりたい

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「もう、いいんだ。ひかる」 ひかるはゆっくりと俺の腕を離した。ごくりと息を大きく飲み込んで、貼りついたみたいなひかるの顔が少し、ゆがむ。 その唇が震えていくのを、俺はしばらくの間じっと見ていた。 「……まさか、コウちゃん。bluemoon……どうしたの?」 「辞めてきた」 大きなその瞳を見開いて、ひかるは一瞬息を止めた。そして次の瞬間その身体はどん、と俺にしがみついた。 「なんでなんでなんで!……それって……あたしのため?」 その細くて柔らかい身体を抱き止めながら、俺は笑った。 「違うよ、ばーか」
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