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「気持ちいいか?」
傍らに座り、そっと夏樹の頬を撫でる久志に夏樹が小さく頷く。
「後は……足の付け根だったな」
そう言うと、今度は夏樹の太腿あたりに久志は手を這わせた。
「確か、この辺りにあったはず……」
「あ……あっ、やっ」
「――――あった、ここか」
一見ただの布地があるようにしか見えない所へ久志の手が入った。
「さすが野添くんだな、素晴らしい出来だ」
「ん……や、久志さん」
「――ん? 夏樹? これって……」
さわさわと夏樹の下腹部をさまよっていた久志の手が、ある一点を掠めると、ぴたりと動きを止めた。
臍よりも数センチ下、部分的に熱く熱をもち、ちょうど久志の手のひらに収まるサイズに形を変えている。
久志はそれの形を確かめるように、ゆっくりと手のひらを上下に動かしながら、夏樹の形を変えた部分を撫で摩った。
「や、あ、あ……あっ、ん」
久志の手の動きに合わせるように、夏樹の腰が揺れる。
「夏樹、私の可愛い子リスさん」
着ぐるみを着て、腰を揺らしながらモジモジと両膝を擦り合わせる夏樹の姿は、まるで初めての快感に戸惑う子供のようだ。
夏樹はちゃんとした二十四歳の成人男性だ。そのことを久志は分かってはいたが、つい、いけないことをしている気分になってしまう。
久志は足の付け根を冷やすという、最初の目的などすっかり忘れてしまい、夏樹の熱を追い立てるのに夢中になってしまった。
夏樹の昂りは久志の手によって、ますます追い立てられ、その先端に当たる下着の一部が湿り気を帯びてくる。
「あっ、ん、も……ダメ、あ、でるっ……」
「大丈夫だ。出してしまいなさい、私が受け止めてあげるから」
「ひさ、さ……んっ」
下着越しに久志の大きな手に包まれたまま、ふるりと体を震わせて夏樹は熱を吐き出した。
「夏樹、可愛いよ」
「――――んっ」
夏樹の目尻に浮かんだ涙を久志の唇が吸い取る。
そんなちょっとしたことでさえ、今の状態の夏樹には堪らない快感になってしまうようで、熱を吐き出したばかりだというのに夏樹の昂りは全く衰えていない。
「どうしよう、久志さん……まだ、まだ……あんっ」
「夏樹……」
ここでやっと夏樹は薬の影響でこのような状態になっているのだと、久志は我に返った。
「大丈夫、君が楽になるまで付き合うよ」
そう言って久志は夏樹の額に唇を寄せた。
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