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昨夜、夏樹に付き合うとは言ったが、薬の効果があれほどとは久志も予想していなかった。
達しても、達しても、夏樹を襲う快感の波は引かず、最後は何も出ない状態にも関わらず、達したように何度も体をふるふると震わせていた。
明け方になって、やっと状態は落ち着き、今夏樹は久志の腕の中で静かな寝息を立てている。
「全く……自分の自制心を褒めてやりたいよ」
久志はため息をつくと、夏樹の額をそっと撫でた。
さすがに着ぐるみはそのまま着れる状態ではなくなってしまったため脱いでいるが、久志に擦り寄って寝息を立てている姿は、まるで巣穴で安心しきって眠る子リスのようだ。
薬の効果が出すぎたため、昨夜の夏樹は半分意識を飛ばしており、執拗に久志へ自分の昂りを何とかして欲しいと強請った。
もちろん久志は出来るだけそれに応えたが、最後の一線だけは越えなかった。
「夏樹」
露わになった夏樹の額に久志が触れるようなキスを落とす。
「――――ん」
夏樹の額に落とされたキスは、閉じた瞼をたどり滑らかな頬へと移った。
柔らかな果実を食むように久志が頬へ軽く歯を立てる。
「……あ、や……ん」
「夏樹」
「ん……久志、さん?」
頬にやわやわとしたくすぐったさを感じた夏樹が、ゆっくりと目を覚ました。
「おはよう」
「おはよう、ございます……あの……」
「気分は? 頭が痛いとかないか?」
「大丈夫です、って――え? えっ!? 久志さん!? ここ、どこ……」
ベッドの中で久志にくっついたまま、夏樹がキョロキョロとあたりを見回す。
徐々に自分の置かれている状況が分かってきたのか、夏樹の顔色が変わった。
「ここ……もしかして、久志さんの……」
状況確認が終わって顔をもとの位置に戻すと、今度は至近距離に久志の顔があり、夏樹はぎゃっと奇声を上げて上掛けの中に潜り込んだ。
「うわあっ!」
今度は上掛けの中から夏樹の叫び声が上がる。
「夏樹? 大丈夫か?」
「ひっ、ひっ、ひさ……な、何で……俺、はだか……っ!?」
「ああ、昨夜はかなり汚してしまったからな。脱がせたが?」
「――――は?」
上掛けの中から夏樹がそろそろと顔を覗かせた。
「何回出したかな。途中までは数えていたんだが」
「は? え? あの、出すって……」
聞かない方がいいと、どこかで警鐘が鳴っている。
だが、夏樹は恐る恐る久志に尋ねた。
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