23 俺の意思じゃないですから!

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「えっと、久志さん……俺、何か汚すようなものを出したんですか?」 「うん? ああ。そうだな」  そう言って久志は上掛けの中の方へ視線を移した。 「君は理央くんから後ろに薬を入れられたと言っていたが、恐らく腸からダイレクトに薬の成分を吸収してしまったのだろう。普段より興奮してしていたようだね。私が手で君のものを擦って、出すのを手伝ったのだが……大丈夫か? 君が求めるまま、明け方まで擦り続けたから……腫れてるんじゃないか?」 「腫れ――え?」 「だから、ここが」  久志の言ったことを頭の中で整理するために、夏樹の動きが止まる。  その一瞬をついて、久志がおもむろに夏樹のくるまっている上掛けを捲った。 「…………!」 「先の方が少し赤くなっているか? 用を足す時に痛むかもしれないな」 「…………」 「薬を塗った方が良いかもしれない――ちょっと待っていなさい。薬を持ってこよう」 「…………」  どう反応すればいいのか分からず夏樹が固まっている間に、久志は夏樹の足の付け根のものを検分し、薬を取りに寝室を出ていってしまった。  ベッドに横たわり、久志が出ていったドアの方を夏樹が呆然と見つめる。  しばらくして、ようやく頭の中が働き始め、夏樹はゆっくりと自分の股間へ視線を移した。  なるほど、確かに先端の敏感な部分が普段よりやや赤みがかっている。 (──明け方まで? 俺が求めた? 久志さんに……?) 「~~~~~~っ!」  理央に薬を入れられた後、途中から記憶がおぼろげになっていた間の出来事を察した夏樹は、声にならない悲鳴をあげるとベッドの隅で頭から布団を被った。 (何、どういうこと!? 俺のを……久志さんが!?)  しかも久志の言う通りだとすると、夜通し夏樹が久志に触って欲しいと求めたことになる。 (――俺……とうとう最後まで……?)  夏樹は布団の中でそっと自分の後ろに手を伸ばしてみた。  初めての時は、かなり違和感があるらしいと聞いたことがある。だが、夏樹の後ろはこれといった痛みも違和感もなく、普段と全く変わらない。  久志のテクニックが相当のものだったのか、それとも……。 (久志さんのが意外と小さかった……? いや、前にちょっとだけ見たことがあったけど……小さくはなかった……はず) 「失敬だな」  布団に潜って色々と考えを巡らせる夏樹の頭上で、憮然とした久志の声がした。 
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