968人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
「えっと、久志さん……俺、何か汚すようなものを出したんですか?」
「うん? ああ。そうだな」
そう言って久志は上掛けの中の方へ視線を移した。
「君は理央くんから後ろに薬を入れられたと言っていたが、恐らく腸からダイレクトに薬の成分を吸収してしまったのだろう。普段より興奮してしていたようだね。私が手で君のものを擦って、出すのを手伝ったのだが……大丈夫か? 君が求めるまま、明け方まで擦り続けたから……腫れてるんじゃないか?」
「腫れ――え?」
「だから、ここが」
久志の言ったことを頭の中で整理するために、夏樹の動きが止まる。
その一瞬をついて、久志がおもむろに夏樹のくるまっている上掛けを捲った。
「…………!」
「先の方が少し赤くなっているか? 用を足す時に痛むかもしれないな」
「…………」
「薬を塗った方が良いかもしれない――ちょっと待っていなさい。薬を持ってこよう」
「…………」
どう反応すればいいのか分からず夏樹が固まっている間に、久志は夏樹の足の付け根のものを検分し、薬を取りに寝室を出ていってしまった。
ベッドに横たわり、久志が出ていったドアの方を夏樹が呆然と見つめる。
しばらくして、ようやく頭の中が働き始め、夏樹はゆっくりと自分の股間へ視線を移した。
なるほど、確かに先端の敏感な部分が普段よりやや赤みがかっている。
(──明け方まで? 俺が求めた? 久志さんに……?)
「~~~~~~っ!」
理央に薬を入れられた後、途中から記憶がおぼろげになっていた間の出来事を察した夏樹は、声にならない悲鳴をあげるとベッドの隅で頭から布団を被った。
(何、どういうこと!? 俺のを……久志さんが!?)
しかも久志の言う通りだとすると、夜通し夏樹が久志に触って欲しいと求めたことになる。
(――俺……とうとう最後まで……?)
夏樹は布団の中でそっと自分の後ろに手を伸ばしてみた。
初めての時は、かなり違和感があるらしいと聞いたことがある。だが、夏樹の後ろはこれといった痛みも違和感もなく、普段と全く変わらない。
久志のテクニックが相当のものだったのか、それとも……。
(久志さんのが意外と小さかった……? いや、前にちょっとだけ見たことがあったけど……小さくはなかった……はず)
「失敬だな」
布団に潜って色々と考えを巡らせる夏樹の頭上で、憮然とした久志の声がした。
最初のコメントを投稿しよう!