文芸部の日常

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「ふん!」 全てがスローモーションに見えた。部長が個室の扉を破壊した。回し蹴りで・・・。そうだった。部長はこういう人だった。部長は考えるより行動する、壁ぶち当たったらぶち壊せをモットーにしている人だからこうなるのは分かっていたのに・・・ 狭いトイレの個室で部長と目が合う。 「あ、あの部長、怒らないんですよ・・・ね?」 「もちろん!」 「じゃあ」 「まぁまだお天道様は高いところにあるからな。言い訳だけは聞いてやる」 その顔はとびきりの笑顔だった。 部長の仙台 彩。いつも強気でさっきも言った通り考えるより行動、壁にぶち当たったらぶち壊せをモットーとしている。そして超がつくほどのわがまま。 トイレから引きずり出された俺は襟首を掴まれたまま文芸部の部室に連行されていた。今は誰もいないからいいがこんな姿を誰かに見られたら俺の高校生活は完全に終わり・・・ 「あんた何やってんの・・・」 見られたぁぁぁぁぁ!しかもよりによって一番見られたくない人に! 「おぉ浅葱か!今飴泥棒を取っ捕まえたところだ」
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