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「飴泥棒って・・・」
「重罪人に発言権などない!」
「それ酷くないですか!?」
「あんた・・・彩先輩の飴食べちゃ駄目でしょ。少しは提供する身にもなってよ」
そう言いながらも自分の鞄を漁りだすのは汐留浅葱。文芸部に所属している俺と同じ一年生だ。彼女に関して言うと彼女は学園の中でも一目置かれている。その理由は抜群の容姿だ。入学当初から告白する男子が続出してことごとく断られていて男子からは高嶺の花という印象がある。
「はい彩先輩、飴ちゃんですよ」
「おい汐留・・・さすがにそれは・・・」
大根生姜味って・・・さすがに酷すぎるだろ。どう考えても狙いどころが年寄じゃないか。これじゃあ部長も
「わ~い飴ちゃんだ~!」
めっちゃ喜んでるし!?そこは拒否するか味に対してツッコミをするところじゃないの!?おかしいの?俺の考えがおかしいの!?
「まぁそれはそれとして裕也、君の罪は消えたりしないからな」
覚えてたーーーー!いつもの部長なら飴ちゃんを食べれば全てを忘れてくれるのにこれが食べ物の恨みというやつか。
俺は無意識のうちにその場から逃げ出していた。
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