変わるもの 変わらないもの

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『お前にもう用無いから』  私と先輩の終わりは一言のメールだった。こんなメールを見たら、そこには愛情なんて一欠もないのは一目瞭然だったのに、それでも私は、付き合っている間は先輩には好かれていた……と思いたかった。そう信じていたかった。  そうじゃないと、かわいそう過ぎたから。あんなになった私が、かわいそうだったから。  でも、やっとわかった。本当に、全然、全く、先輩と私の間に、一欠けらも、愛はなかったんだ。  瞼が熱くて、目を閉じたら熱い涙が頬に落ちた。 「また泣いてる」  泣いていることを気づかれないようにしているつもりだったのに、なんでばれるんだろう。 「……泣いてないもん」  出てきた声があまりにも涙声で、自分でもあまりにも酷い嘘だと思う。それでも先生はくすっと笑っただけで、強がって顔を上げない私の頬に落ちた涙を拭って、それ以上は何も言わずに、ぎゅうっと強く抱きしめてくれた。
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