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「いいじゃん、バレンタインくらい彼氏居なくたって。で、今度はあたしも誘ってよ」
「何に?」
「合コン」
え?と思ったのは私だけじゃなかったらしく、里美はもちろんさやかまでガバッと跳ね起きて言った。
「マナ、彼氏は?!」
「別れた」
何でそんなに驚くの?と言いたげに愛香は返して、夏帆に視線を向ける。
「夏帆、言ってなかったの?」
「言ってないよ」
けろっとしながらウーロン茶を飲んでいる夏帆は、どうやら以前から知っていたらしい。
「あ、そーなんだ。別れたの年末に」
「ええー?!」
「なんで?なんで?なんで?!」
とたんに話は愛香が大学時代から4年付き合っていた彼氏と別れた経緯に持っていかれていった。
「まぁ、そんなわけで別れたから合コン誘って」
そう言ってニッと笑った愛香に複雑そうな表情の里美とさやか。
「ねぇ、マナ。それ、後悔しない?」
愛香が別れた事情は、そう訊いてしまうのも仕方ないものだった。
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