プロローグ

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 ぽたりと無機質な実験台に涙が落ちた。  会いに来る事が出来なかった理由は、書けば書くほどに陳腐な言い訳になった。会いたい気持ちは、言葉にしようとすればするほどに嘘くさくなった。  言い訳も嘘くさい言葉も削ぎ取ったら、残ったのは一言だけだった。  この言葉だけは、紛れもない本当の気持ち。  だけど、その一言を伝えたその先がどうしても怖くて、どうしても踏み出せなくて。結局、その一言だけを書いた手紙を置いて、物理実験準備室から逃げ出した。
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