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お風呂を上がった時には、藍からもらった自分の好きな服を着たい気持ちも、先生に抱きしめてもらった安心感も、何もかも全部失ってしまって私の心は不安の塊になっていた。
「髪、乾かしてやるからこっち来な」
あまり働かない頭のまま、先生の近くに行くと、先生の脚の間に座らされた。
「のぼせたか?」
あまりにもぼんやりしていたからか、先生に顔をのぞき込まれて慌てて首を横に振った。先生の手がくしゃくしゃと私の頭を撫でて、そのままドライヤーの音が響き始める。先生の長い指が、心地良く髪を梳いていくのが心地よくて目を伏せると、お風呂で考えていた事の続きがぐるぐると頭の中で回り出す。
「ねぇ、せんせ。大丈夫って……どういうことかな…」
ぽつりと零れた微かな声は、ドライヤーの音にかき消されて先生までは届かない。
先生の事が好き。先生の傍に居たい。だけど、先輩にされた行為を思い出すだけで、大丈夫と言う気持ちはあっさりと恐怖に押しつぶされてしまう。
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