アイノコトバ

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 12歳も年上で、いい歳した大人なのにそんな子供みたいな言い方にきっと鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまったと思う。それでも……してもらえないのは、嫌だと思ってしまう。  しばらく躊躇って先生の首筋に顔をうずめてから、漸く少し顔を上げて先生の耳元に唇を寄せる。 「先生と…ちゃんと…できたら嬉しい」  あまりの恥ずかしさに、小声で耳元で囁いた後、先生の首筋に思い切りしがみついた。 「俺しか居ないのに小声で言う意味あんのか?」  笑って言われたけれど、こんなことを改めて言わせる方が悪いと思う。 「翠、ご褒美あげるから顔上げな」  ご褒美? と思うよりも早く頬に手を添えられて唇がふさがれる。離れるのが嫌で先生の首に腕を回してしがみついた私に、先生は何度もキスをくれた。 「この先は、そのうちな。無理しないで出来そうな時に」  先生の言葉に頷いて、先生の胸に顔を埋めた。その言葉に凄く、安心した。今すぐしようって、押し倒される覚悟でいたけれど、無理しないで良いと言ってくれるのは凄く嬉しい。焦らなくても、ゆっくり進んでいけたらいい。
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