落ちてくる空

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--- 「……で?何で毎日来るんだ?」  そう言って翠を冷たく見下ろす新島を、不満たっぷりの気分で翠は見上げた。 「仲良く毎日一緒に帰ってんだろ?渡辺と」  翠は実験台の上に広げていた教科書やノートの上に突っ伏したまま乗せて不機嫌に頬を膨らませた。 「だって、ここスキなんだもん」  そう答えた翠は、何度目か判らないため息をついてから、渋々と顔を上げて教科書を広げる。勉強をしてたら、取りあえず下校時刻までは居させてくれるのはこの数ヶ月で判っている。  翠は新島と過ごす放課後のこの時間が、好きだった。今まで部活をしていた時間で宿題を済ますと、家に帰ってからの時間が凄く平和でのんびり出来る。苦手な数学や化学のわからないところは新島に聞けば教えてくれるから、家で1人でやるより断然効率もいい。  正直、翠は何故新島が物理教師なのか疑問だった。物理の先生のはずなのに、チラリと教科書を眺めて数学も化学も解説してくれる。しかも判りやすい。化学も数学も全部新島先生が教えたらいいじゃん。と思っていた。
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