冷たい雨

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-----  会社で愛用しているPC用の眼鏡は、泣いて少し腫れぼったくなっている目を隠すのにも丁度良かった。時々伊達眼鏡代わりに通勤時にも使っている。  そう、今日みたいに…朝から泣いて起きた日に。  そして朝から泣いた日は、目がヒリヒリ痛むから本当にPC用眼鏡と目薬が手放せない。否応なく午前中から酷使した瞳を伏せて一息ついてから、出力の終わった資料を揃えてクリアファイルに入れて、営業の先輩のデスクに置いた。これで午前中の仕事は終わりだ。 「翠、お昼行ける?」 「うん、里美と夏帆は?」  声をかけてきた同期のさやかの言葉に頷きながら、視線をフロアに向けると残る2人の同期はまだ仕事中だった。 「里美、すぐ終わるって言ってたし、夏帆も多分すぐ終わるよね。天気良いし外で食べようよ」  夜中の雨のせいで天気が良かった印象が無くて、エレベーターを待ちながら窓の外に視線を向けると確かにきれいな青空が広がっていた。気持ちもこんな風に、すぐに晴れたら良いのに。ビルと窓に切り取られた青空をぼんやりと眺めていると、ぴょこんと小柄なさやかの頭が視界に割り込んで来た。
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