落ちてくる空

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-  翠は部屋のベッドに伏せていた。 「おねーちゃーん、ご飯だってよー」  妹の藍が階下から叫んでいるのが聞えたけれど、返事をする余裕は残っていなくて、ご飯なんてどうでもいいと耳を塞ぐ。 「おねえー、ごはんだってば~」  階段を登りながらしつこく言う藍に、叫ぶように「要らない!!」と言い返すと、藍がビックリしたようにばたばたと階段を降りていく音が響いた。 「お母さーん!!お姉ちゃんがご飯要らないって!!!」  階段を下りながら藍がそう叫ぶのを聞きながら、翠はため息をついた。 「翠?ご飯要らないってどうしたの?具合悪いの?」 「なんでもない。美咲と圭ちゃんと食べてきたから大丈夫」  今度は母親がやってきて、ドアをノックするけれど、翠は頭からタオルケットをかぶってそのまま部屋から出ずに答えた。ちょっと位ご飯食べないからってそんなに心配しないで欲しい。今は、とにかく外の世界をシャットアウトして居たかった。  ――返事は急がないから。  大輔の告白を聞いて、頭が真っ白になってフリーズした翠に大輔は慌てたようにそう付け足した。  試験も終わって、夏休みまではあと2週間ほど。返事は急がないとは言っていたけれど、夏休み前には返事が欲しいと言われているように感じてしまう……そんなタイミングだ。  携帯のカレンダーで夏休みまでの日にちを指を折り数えて、その期間の短さに追い詰められた気持ちで、翠はタオルケットにくるまった。 -
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