第十五章 身代わり

7/9
90人が本棚に入れています
本棚に追加
/320ページ
奏に言われて俺たちはうなづくことしか出来なかった。 とにかく、気休め程度の 薬を処方してもらい、定期的に通うということになった。 「奏、お前、どうして黙っていた?」 帰り道、俺は奏問う。 「…別に言うことではありません。これは代償なんです。」 「代償?」 「…労咳は元々、沖田さんがなるはずでした。この池田屋事件でそれが露わとなるはずだったんです。けれど、それを私が変えてしまった。その代償。身代わりなんです。」 総司が労咳に?? 「…鬼は傷は治せても病を治すことはできない。」 「でしょうね…。私、決めたんです。みなさんを助けると。」 「俺たちを?」 「はい。そのためには自身を犠牲にしてで…「んなことして俺たちが喜ぶとでも思ってるのか!!」 奏の言葉に俺は悲しくなり、思い切り怒鳴ってしまった。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!