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広間には幹部とその真ん中に見覚えのある人物が座っていた。
「…歩…兄さん。」
私はその人物の名前を呼ぶ。
「久しぶりだね、奏。」
歩兄さんはそう言ってにっこりと微笑む。
「歩って言ったか。奏に会って何の用だ?」
「迎えに来たんですよ。大切な妹をね。」
「迎えに?」
「あぁ。この前は悪かった。俺は今天馬家と共にいる。俺とお前は正真正銘の兄妹。そこにいる…まがいの兄とは違ってね。」
私と歩が本当の兄妹で冬夜兄さんが?
「冬夜、今のお前には記憶がない。だから詳しいことは話さない。」
「俺に記憶が?」
一体どういうこと…。
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