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そういうところに何かと鈍い赤音は、雨京の眉がビミョーにつり上がったのに気づかない……
そしてにこやかに同級生に笑顔で話しかける。
「もちろん覚えてるぜ! 俺は闘神(とうじん)科コースだったから、HR(ホームルーム)くらいでしか顔合わせられなかったけどな ――そっか。情報局に配属されたのか」
「「はい! 先日、《技術部浄化班》へ――…」」
そう答えると、急に二人は緊張した面持ちになって、ややしどろもどろにこう切り出した。
「…それで……、あの…。よかったら僕らに《浄魔法具》の浄化(メンテ)させてもらえませんか!?」
「あのっ! やはり千年クラスの怨霊を斬ったとなると、多少の【負霊気汚染】は免れないかと……」
浄魔法具とは、浄魔導士の扱う、対怨霊用の特殊武器である。
怨霊等、魔の存在が発する邪気を【負霊気】と呼び
浄魔導士はそれに対抗できる力の源となる《正霊気》を、通常の人間の『数十から数百倍』は持っているという。
もちろん百倍以上の浄魔導士は、S級以上のエリートで
数百倍などという桁外れの能力者であるSS級なんぞは、まさに本来『神レベル』なのだが……
そして、赤音もまた、その神レベル(貴邑)が認める、将来のSS級候補であることに間違いはない。
同級生とはいえ、格が違いすぎる。
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