【2】金髪・眼鏡の教官は、ドSで憎いあんちくしょう☆

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「……ホンマにもう……」 ガーッと、再び閉じられた扉を尚も睨みつつ、雨京は深いため息をついた。 「い"…… てぇぇ~~っ……」 管理部室の太い柱にもたれ、半分しゃがみこんで左の尻を押さえ、痛みに悶絶しながら 赤音は困ったように眉を下げ、自分を指さした。 「な…… なんだよ? 雨京~~……。俺、なんかした?」 雨京はその美しい眉をひそめながらも、拗ねたように、頬を染めつつ、何にもわかってない赤音を軽く睨んでみせた。 「“無意識”なんは……よう解ってますけどな…」 「――いっくら卒業したゆうても、未だカリスマ生徒会長『獅子上 赤音』は、一般生徒の憧れの的なんどすから……もっと、ちゃんと自覚してくれへんと困ります!」 「……ホンマに…、あんな笑顔(かお)……簡単に魅せたりしはって……」 再び深いため息をつく雨京に、赤音は目を丸くして頬を染めた。 そんな子供のように純粋な、赤音の表情を見て、雨京は恥ずかし気に、またせつな気に横目で赤音を見て小さく呟いた。 「赤音くん……。 もう……“独り身”やないんどすえ?」 ―――僕ら……一緒に暮らしてるんやから……。 卒業して同じマンションで暮らしている二人は、恋人以上、最早(新婚生活中)だった。 鈍い赤音にも、やっと雨京の怒った理由が理解できた。 その瞬間 赤音はいきなり雨京を、ぎゅっ…と強く抱きしめたのである。 慌てたのは、雨京の方だ。 「あ……っ、赤音くん!? ちょっ……!!?」 雨京の肩ごしに、静かな赤音の声が囁かれた。 「すまねぇ……雨京…」
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