15人が本棚に入れています
本棚に追加
貴邑は、そんな官九郎の皮肉に逆にニヤリと笑いを浮かべると、ソファからむくりと起き出した。
「まー…、そりゃあな。今や浄魔導士は世界的に貴重な戦力……。エリート中のエリート職だからな。」
「そいつらの教官ていう、更なるエリートのトップに君臨する“俺様”の《教え子》なんだぜぇ?
能力(ちから)も体も《尻の揉み具合》も、一級品なのは、ったりめぇじゃねぇか♪」
「………貴様っ…っ」
官九郎は片手の握りこぶしをぶるぶると震わせ、情報局中響き渡る勢いで、しれっと呑気な風情の貴邑を怒鳴りつけた。
「だからそれが【セクハラ】だとゆーんだ!!!! なんで貴様が教官なのか、俺には全く理解できん!!」
「だって俺、優秀だも~~ん♪ SS級免許取得済みなんざ、GANSAの浄魔導士でも滅多にいねーじゃんよ」
「だからそれも、納得がっ…!!」
その時、広大な面積を持つ、この中央管理部室の正面の自動ドアが、GAー…と音をたて左右に開いた。
「おぉっとお…♪ とかなんとか言ってるうちに、主役コンビが帰ってきたぜ。カンクロー」
貴邑は官九郎と同期の為、例え情報局長と言えど呼び捨てのタメ口だ。
「バカ者!! せめて情報局(ここ)でぐらい、カンクロー言うな!
…っと…! おお!! 獅子上! 一釈!」
そこには、すらりとした長身に、逆立つ髪も男らしい『赤音』と、小柄で艶やかな黒髪の麗人『雨京』が、初々しくも頼もしくたたずんでいた。
《キャラクター》
●獅子上 赤音(ししがみ あかね)
●新人浄魔導士
最初のコメントを投稿しよう!