【2】金髪・眼鏡の教官は、ドSで憎いあんちくしょう☆

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そんなぎこちない官九郎の仕草に、赤音は苦笑いしつつ頭に手をやる。 「――いえ…。予想外に強い怨霊(あいて)なんて、【貴邑班】じゃしょっちゅうだったんで…―― もう慣れっこですよ」 「せやけどさすがに、千年クラスの怨霊(もん)は初めてどしたなぁ……」 恐ろしく完璧な皮肉を込めた、雨京の“黒にっこり”が炸裂。 「うっ!!!」 官九郎局長の胸(罪悪感ともいう)に、ズキューン!! と見事にクリティカルヒットした。 「わっ……私は反対したのだぞ!? そりゃお前達は、養成学園始まって以来の『カリスマ生徒会長と副会長』だ!! それは認める!!」 「だがなっ!! いくら何でも卒業したてのルーキーに、こんな『A級任務』を任せるなどあまりにも“無謀”――…」 「長ぇよ」 今度は官九郎の後頭部に、貴邑の踵おとしがゲシッとヒット。 「貴邑ぁ!! きっさまあぁぁあ!!!!」 頭を押さえてうずくまる、怒り心頭の官九郎を、偉そうに腕を組んで見下ろす貴邑は、当然のように『ふんっ』と鼻を鳴らした。 「あのなぁ~… このスペシャルエクスタシーな俺の弟子、ナメてんのか?カンクロー。 A級任務(これ)っくれぇビシッと浄魔(やれ)なきゃ、卒業なんざさせねぇっつの。 永遠に留年だ! 留年!!」 「貴様!! なにを無茶苦茶なことをっ……」 ほとんど、同期生の喧嘩のような大人げない言い合いが続く。 赤音と雨京が呆れ顔で、『しょうがねぇ大人だな』と仕方なく二人を眺めていると ふと、後ろからいつの間にいたのか、おずおずとした声がした。 「あの……、獅子上会長……ですか?」 「うん? あれ? お前ら……」 赤音は、ふいに知った顔の二人の若いGANSA職員を見て、懐かしそうに声をかけた。 「確か同じクラスで護神(ごしん)科コースとってたよな?」 二人はその言葉を聞くなり、ぱあっと花が咲いたような、とびきり嬉しそうな笑顔を見せた。 「「はい!! 覚えていてくれたんですか!!?」」 その頬は感動で、乙女のようなピンク色に染まっている。 ピクリッ……と、雨京の【恋する漢レーダー】が反応した。 《キャラクター》 ●赤音&雨京 image=489492519.jpg
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