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いつになく感傷的な顔して 征司くんは浮遊する脳なしを目で追いかける。 「君、本当にクラゲが好きなんだね」 彼の真正面に回り込んだ 水槽越しに――目が合った。 それでようやく分かった。 彼が本当に見ているのはクラゲじゃない。 ――クラゲみたいな誰かさんだ。
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