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かなえはしたり顔で、典子は困惑ぎみだった。
『こちらにきませんか。このソファー座り心地いいんですよ』と志乃が言った。
さすが、バツイチは余裕がある。
遊び人風な男は『喜んで。みんなを連れてきます』と言い、席に戻っていった。
男は髪の毛もきちんとセットされて、かすかに香水の匂いをただよわせていた。
元の席にいる3人の男性に説明したようで、
4人の男性が自分の持ち物を片手にこちらへ歩いてきた。
店員は向こうの席から飲み物をこちらのテーブルに運んできた。
となりの席のソファーをくっつけ4人の男性が座る。
色黒の男性が我先にと言う
『さっきから、キレイな女の子たちだなって思ってたんですよ。
そんな女の子たちをほってはおけないって話してたんですよ』
いかにも口がうまそうだ。
『こいつもそう言ってたのに無口だから』
と色黒があごひげの男性に目線を送り、話を続けた。
髪の毛のさらっとした中背の特徴のない男性が
『どういったお仲間なんですか』と聞いてきた。
『短大の同級生なんです。
腐れ縁で卒業後15年も毎週のように飲んでいるんですよ』と志乃が答える。
『ってことは、35歳ですか?』遊び人風な男が聞く。
『言っちゃった。ごめんね』と志乃は言い、3人に目配せし謝った。
『若く見えますよ。それに年齢は関係ないし、僕たちと同世代ですね』
色黒の男がフォローするように言った。
『名前教えてください』とあごひげ男性が言う。
『俺、このままだとひげ男とか呼ばれそうだから』と続けた。
色黒男性が先に言う『そうだな、僕たちからするよ。
僕は谷明(タニアキラ)40歳最年長です。
一度見ると忘れない顔って言われます』
確かに、色が黒くて、目がぱっちりしているハッキリクッキリ顔だ。
次に遊び人風な男が言う
『アキラさん、そんな簡単な紹介でいいんですか?
俺は田中優輝(タナカユウキ)35歳』
服装に気を遣ってそうな、ノリの良さそうな男性だ。
続いてひげ男が言う『永瀬浩実(ナガセヒロミ)です。37歳』
無口で体のしまった小柄な男性だ。
『庄司智之(ショウジトモユキ)です。
35歳。みんな同じ会社なんです』と特徴
のない中背の男が最後を締めた。
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