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かなえがおかわりの飲み物を頼んだ。
『飲みっぷりいいねぇ』とアキラが負けずに
『僕も同じもの』と言いジンベースの飲み物を注文した。
ふたりは何杯か注文しては、飲み物を交換し合っている。
男性の中でいちばん飲む人はアキラとのことだった。
『この4人でよく飲みに行くんですか?』
と私はあたりさわりないことを聞いた。
『同世代の独身が少ないんでね』とアキラは誰よりも早く言い、
智之が永瀬と顔を見合わせていた。
肩ぐらいの長さの横髪を耳にかけながら、志乃が聞く。
『会社には、かわいい女の子はいないんですか?』
『受付やってる総務部の子はかわいいね。
でも、総務部の子を口説くとすぐ社内に知れ渡っちゃうんだよね』
とアキラが引きつりぎみに言う。
『どうして知れ渡っちゃうんですか』
と典子が不思議そうに聞く。
『総務の子が5人くらいローテーションで、
2名体制の受付やってて、
お客さんの来ない時間はヒマだから、
そういう話してるらしいよ』とアキラが説明した。
『その中のひとりが、いろんな部署にしゃべりまくるんだよ』
とユウキが補足した。
『この中の誰かが、言いふらされたことあったりして』
とゴシップ好きの典子がからかうように言う。
『まさか、そんな噂知ってて口説けるかよ』
とアキラが手を横にないないと振りながら言った。
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