第1章

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アキラはこそこそと、永瀬と話している。 アキラは永瀬と話し終えた後、ユウキと話している。 こそこそはそこそこ気になったが、気にしないように歓談が続いていた。 アキラがパンパンと手を叩き、みなの視線を自分に向けて言う、 『宴もたけなわですが、僕たちそれぞれひとりの女性に連絡先を聞きます』 『そんなの、さっきこそこそ打ち合わせしてたじゃん』と志乃がめざとく言う。 『幸運にも、違う女性が好みだったんだよね』 とアキラが志乃の言葉にめげずに言った。 絶対画策してたに違いないと思いつつも、 私たちは少しほっとした表情をしていた。 率先して『僕はかなえちゃん』とアキラは言う。 『なんで私?』とかなえが聞く。 『ビビビっときたんだよね』と懲りずに言った。 『俺は典子ちゃん。ひとり暮らししてるんだよね?今日行ってもいい?』 ユウキは軽いノリで言う。 『ダメ』 『俺がダメなの?』 『俺はいいけど、今日はダメ』 こんな会話は幾度もしているのだろう。 いかにも典子のタイプっぽいので、典子は喜んでいるだろう。 『志乃ちゃんお願いします』永瀬が落ちついて言う。 『ふふふ。了解です』 志乃も満更ではなさそうにみえる。 『じゃあ、玲子ちゃん教えてください』と智之は言った。 『はーい』とじゃあってなんだよと思いながらも私は返事をした。 何も特徴のない中背の男が私担当かとか思いながらも、 男たちの作戦は、なかなかうまい戦略を組んできたなと頭の中はめぐっていた。 男性は会社の名刺に自分の連絡先を記入して渡し、 私たち女性は携帯の連絡先を教え、それぞれが帰路着いた。 彼らはHK(花熊)株式会社という名前の会社だった。 それと今日の酒代を男性がご馳走してくれたのだが会計で揉めていた。 領収書をもらう、もらわないということで アキラと永瀬がブツブツ言っていたのが印象に残った。
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