第5章 君のその唇に

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でもそれは、彼には内緒だ。 だって、こうしてずっと、わたしを追いかけて欲しいから。 「ほら、授業に遅れるよ、レオン」 「まったく、清花は真面目すぎるよ」 そう言いながらも、楽しげに追いかけて来る。 校舎を目ざして走るわたしの目に、麗がニヤニヤしながら、 こちらを見ているのが見えた気がした。 誰もいない昇降口に駆け込んだところで、追いついた レオンに捕まった。 その後のことは風紀委員として、誰にも言う事はできない。 わたし達は伝え合う。 恋する想いを、 お互いのその唇に。 END
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