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「ごめん、清花。大丈夫?」
「そう思うなら、叩かないでよ!あんたとわたしじゃ、
体格の差ってものがあるんだからね」
膝についた砂を払って立ち上がる。
「あーあもう、仕事が増えたじゃないのよ」
ぶつくさ言いながら、ぶちまけたペットボトルを拾い集め、
先輩から持たされたエコバッグに、これらを再び詰め込み、
両手にぶら下げて立ち上がる。
「重っ」
「清花、危ないよ、僕に貸して」
十五本のペットボトルを持って、ヨロヨロとフラつく
わたしから、エコバッグを取り上げた。
「いいよ、自分で持てる」
「ダメだ。そんなにフラフラして、怪我したらどうするんだ。
それに、こんな重い物を女の子に持たせるなんて、男として
許されないよ」
なによ、そのジェントルマンな発言は。
こんなセリフ、他の男子から言われたら、鳥肌が立ちそう
なのに、レオン君から言われると、はいそうですかと、
なぜか納得できてしまう。
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