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桜が舞い散る大通りを飄々と歩いていく男が一人
その男は軍服を着崩したような着方に長い癖のある黒髪を無造作に束ね帽子を被っただけの姿
一見軍人に見え無くもないがかなり変わっていた。
「…さてと…」
男は橋の途中で川でも眺めるかのように立ち止まった。
「…ご機嫌いかが?」
男は宙に向かい話し掛ける「お兄さん…来てくれたの…?」
空中から小さな女の子が浮かび上がる
まるで空気にそのまま色を付けたように…
「うん…約束したからね…っと」
胸元から男は髪飾りを取り出す
「あ…みなこの髪飾り…」
「これ、探してたんだろう?」
すると少女はにこやかに笑って言った
「ありがとう」
少女はそこから跡形もなく消えてしまった。
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