第1章

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「お次のターゲットはこの方です。豚みたいでしょ?」 写真を出しながら半分おどけたように男が笑う そこにはよく肥えた中年の男が写っていた 「なんか奴隷販売とか色々やったみたいです」 「奴隷ね…今さらよく言うよ」 このD地区では奴隷なんて日常だ それを今更取り締まるなんてのは… 「コイツの金目当てか」 「ご名答」 男はきゃっきゃと手を叩く 「はぁ…軍のがよっぽど豚らしいよ」 ローランは写真をコートのポケットにしまう それを男は見届けると 「後払いらしいです」 そう告げた 「信じられてねぇな」 ローランは呟き酒場の扉に手をかけた 「じゃあマスター牛乳」 仮面の男…イグネスが注文をしてるのが聞こえる 「…前金使い込んでねぇよな?」 ローランが振り向くとイグネスはハッピの袖を振り答える 「返すあてがなく借りてるだけでーす!」 「はぁ…」 ローランはため息をつき酒場を後にした
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