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「お次のターゲットはこの方です。豚みたいでしょ?」
写真を出しながら半分おどけたように男が笑う
そこにはよく肥えた中年の男が写っていた
「なんか奴隷販売とか色々やったみたいです」
「奴隷ね…今さらよく言うよ」
このD地区では奴隷なんて日常だ
それを今更取り締まるなんてのは…
「コイツの金目当てか」
「ご名答」
男はきゃっきゃと手を叩く
「はぁ…軍のがよっぽど豚らしいよ」
ローランは写真をコートのポケットにしまう
それを男は見届けると
「後払いらしいです」
そう告げた
「信じられてねぇな」
ローランは呟き酒場の扉に手をかけた
「じゃあマスター牛乳」
仮面の男…イグネスが注文をしてるのが聞こえる
「…前金使い込んでねぇよな?」
ローランが振り向くとイグネスはハッピの袖を振り答える
「返すあてがなく借りてるだけでーす!」
「はぁ…」
ローランはため息をつき酒場を後にした
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