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廊下は静かだった
ローランはイグネスから昨日聞いて書いた地図を出す
「ふぅ…」
小さな声でため息をつくと歩きだした
ターゲットがいるのはこの奥らしい
足音を立てないよう歩く
「ここか…やっぱ正面突破かな…」
ドアを開け更に奥に進む
「ゃ…っ…」
(話し声?)
小さな女の子のような声が聞こえる
ローランが奥を盗み見ると奧にはターゲットと小さな女の子が交尾をしていた
その状況はまさに交尾だった
嫌がる少女を鎖で縛り欲望をぶつけている
(…今ならやれるな)
だがローランは少女に情をかけるほど人間は出来ていない
ターゲットの後ろに静かに回る
そして背中と首元、それに太ももに短刀を素早く突き刺す
勿論口を押さえるのも忘れずに
ターゲットは暫くばたついていたが何度か短刀を突き刺す内に静かに倒れこんだ
「よし…」
ローランは服にこびり付いた血をその辺の布で拭き取る
(どうせ赤×赤だから目立たないがな)
姿見に映った真っ赤な軍服を眺めていると
「…軍のお方…?」
さっきまで欲望をぶつけられていた少女がまだ泣いたままの顔でこちらを見ていた
「違う」
ローランは端的に告げると立ち去ろうとして歩きだす
「お願い王子様…助けて」
少女はローランに助けを懇願した
「無理だな。俺は王子じゃねぇから」
「長い髪…」
少女はローランの話に耳を傾けず自分の短い髪の毛を揺らした
「だからなんだ」
「…あなたは…」
少女には耳が生えていた
猫のような耳が
「人間ですか?」
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