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《異端周波1018Hz、異端士確定。周波階級から【操炎】の疑い有り。分析を開始する。―――――異能力【操炎】と断定。危険示度は52%、扱いが慣れれば安全と分析した。》
機械のようにルトが言う。30秒経ったか経たないか位だったと思う。ルトは十字の線を消した。
「ソウ……エン?」
「読んで字の如く、炎を操るってことだよ。」
ルトが僕の問いに答えたとき、2階から甲高い少女の声がした。
「いやッ!!一人にさせてよッ!!」
「駄目ッスよ!新入りさんが来たんスから、ワガママは駄目ッス!」
それに対抗するようにミコトの声が響く。
「じゃあルトを謝らせてッ!!じゃないといかないわ!」
少女の声が一際大きく響いた。すると椅子に座っていたルトが黙って立ち上がった。
ルトは階段を登ると、叫んでいた少女に落ち着いた声で話しかけた。
「ナツメ、その件は申し訳なく思っているよ。だけど僕の分析上……」
ルトの声を遮って、硝子の割れる音が響いた。少女―――――ナツメが飾られていた花瓶を床に叩きつけたのだ。
「……もういい。分析の話はもう結構!!」
かつ、かつ、かつ、と靴音が響く。アリアが螺旋階段を登って行く。
「いい加減にしないか。」
「姉様……っ。ごめんなさい、花瓶割っちゃって……。」
目に涙を浮かべるナツメに、アリアは優しく語りかける。
「ナツメ、異端士にも出来ないことはある。余り意識をしないことだ。この世に無敵なものなどいないのだ。」
ナツメは頷くと、ルトに「ごめんなさい」と呟いた。ルトは首を振って微笑した。
3人が僕の元に降りてきたとき、小柄な童顔の少年が、1階の奥のドアから現れた。
「す、すみません!鍋に火を通していたら遅くなってしまって……!」
「カイ、新入りさんだよ。自己紹介。」
長い髪を二つに結んだナツメと、少年―――――カイが僕に歩み寄る。
「あたしはナツメ。お恥ずかしいところ見せちゃってごめんなさい。異能力は【0】よ。」
「ゼロ……?」
「他の異能力を3分間止めることができるわ。」
ナツメが僕の問いに答える。
「僕はカイです!えーと…最年少の12歳です!異能力は【回復】です!宜しくお願いします!!」
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