プロローグ2異世界王国イスト

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イスト王国城下町。今日もいつものように多くの人が品物の売買をしている。 「そのアプルの実なら二つで三百ルードだよ。」 「少しまけてくれよおやじさん!そっちのオルンガの実も買うからさー」などのような声があちこちで聞こえる。そのようなそれは現実世界のアメヤ横丁のようであった。 さて、唐突だが例え話しをする。現実世界のアメヤ横丁には天皇様は御忍びではまず来ない、それもボディーガードも引き連れないならなおさらだ。なぜなら危険が常に伴い、マスコミの注目にもなり結果大問題になりうるからである。 天皇様は一人で出かけない、しかしこの王子ホッパー=イストは魔法学の授業をすっぽかし、護衛兵をつけずに広い城下町をうろついている。 「フーンやはりにぎやかであるなぁ!」とホッパーは鼻唄を歌いながら城下町を歩いていく、人々は頭を垂れる…のではなかった。白々しい目で睨みつけていた。道で遊んでいた子どもは蜘蛛の子を散らすようにワァーと逃げていき筋肉質な武器屋の男は立てかけてあった防犯用の槍を手にしている。 王族一人来るだけで皆警戒する。しかしそれはホッパー=イストのみに向けられた敵意である。他の王族が来た時はにこやかな対応をするであろう。 ではなぜこのようにホッパー=イストはこのような扱いをされるのか? 「ハーイ、そこのお姉さん!僕と一緒にお茶しないかい?」と花屋にいた女性に明らかにナルシストっぽく声をかける。女性は苦笑しながらあははとあしらっている。 ホッパー=イストとは国民にとってナンパ師、ダメ王子の代名詞であり、国民から疎まれているからである。
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