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おい、アンタ姉ちゃんに何する気だ!と店から出て来たのは十代前半くらいの少年だった。声は若干だが震え王子を睨みつけていた。
「アンタか、口に気をつけなあ少年。このホッパー今日は機嫌が良いからアンタ呼ばわりしたのは許してやるよ。」とホッパーはそう言って、でもなぁと付け加えた。
「僕が国王になったらこんなちっちゃな花屋簡単に潰せるんだぜぇ?これ、どうゆう意味だか分かるかなぁ?」アハハと笑って少年とニタニタと見つめる。
あい向かいの武器屋の男が槍を携えてダメ王子に近づいていく。
見れば他の魚屋、八百屋、それと交渉していた人その他たくさんの人が眉を吊り上げていた。その顔は鬼や般若のようであった。
「おーっとこれはこれは王子に楯突くって奴かよ、アハハハハ!笑えるぜ。いいのか!テメエらも馬鹿じゃあないんだから分かるよな?僕には逆らえないってことによぉ!」王子は実に優越感に浸っているようであった。
王子は花屋に女性の肩に自分の腕を回し歩いた。王国に連れ帰るため。
やめろぉ!と少年の叫びが後方で響いたので下衆王子はハァ…とため息を吐き突撃してくる少年に思い切り蹴りを繰り出す、近づく虫を煩わしく弾くように。ゴッという鈍い音がした、もしかしたら肋骨が折れてるかもしれない。
女性はヒッ!と言って私のことは好きにしていいので弟、そしてみんなにも手を出さないでください!悲鳴にも近い声が空気を震わせる。
「心配しないでくださいよ、そしてその悲壮に溢れた貴女の顔も美しい。ほら、少年君。君に金貨をやろう。慰謝料と治療費と、この人のレンタル代ということでぇどうかなぁ~?」と金貨の入った麻袋を地面に投げ捨て『レンタル代』の所を強調して言い放つ、少年始め周囲の人々は怒りで煮えたぎり、また逆らえない自分の不甲斐なさを恨んでいるようにも見えた。
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