第1話 はじめての彼氏

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「マリカちゃん、どこが好きや?」   ミサトがじーっとマリカを見詰めている、訴えている。   分かったよ……。 「……阪神ファン……」 「そうやろー」 タチバナくんが吠えた。 「阪神、最高やもんなー! 俺なんか、生まれた時から阪神ファンやもん」   タチバナくんから目を離す。他のふたりを見廻す。   イケメンだった。ホストみたいに前髪を垂らしていた。かっこいいと言われればかっこよかった。 でも、顔が幼く見えた。 マリカの理想は、ダンディーな大人の男である。 魅力を感じなかった。
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