第1話 はじめての彼氏

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「部活行ってるんだー! すっごいねえー! 俺、土日は部活行かねえ! ていうか、平日も行ってないけどね」   恥ずかしくて顔が見えない。勇気を振り絞る。顔をチラッと見る。すぐに視線をテーブルにもどす。 一瞬過ぎてあんまり見れなかった……。 「俺、バスケ部なんだ。部活行ってないけど、レギュラーなんだ。練習しなくてもうまいっていうの? 俺、天才だなー、みたいなー」 「ふぅーん」 興味がない口調で言ってしまった。後悔の念が募る。 「ねえ、阪神の話、うるさくねえ」   顔を上げる。タチバナくんが落語家のように喋っている。ミサトとユウコがゾウのように耳を大きく聞き入っている。
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