第6話 友だち

4/25
前へ
/25ページ
次へ
「私もお弁当食べてないの。一緒に食べようよ」 ユウコが言った。 マリカはムッとした。同情されたくなかった。 無視して、前を歩きだす。   ユウコは大声を発した。 「ねえ! 悔しくないの!」   マリカは歩いている。 「毎日毎日、パシリにされて、殴られて、バカにされて悔しくないの!」   マリカはまだ歩いている。 「私は悔しかった。教科書、ノートは落書きされて、プールではパンツを隠されて、殴られて、蹴られて悔しかった。毎日、泣いていた」   足が止まる。 「ミサトに逆襲しよう! 私たちの痛み、倍にして返してやろうよ!」   振り返ると、ユウコがいた。涙を流していた。   マリカはユウコに近づいた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加