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ユウコはほくそ笑んだ。至福の境地にいた。
ミサトにいじめという名の虐待を受けた。心身ともに破壊された。
恨みは海よりも広かった。大嫌いな奴が痛い目にあっている。
これ以上嬉しいことはない。バカ笑いしたい気分になっていた。
ユウコは辺りを見渡す。
マリカがいない……。
黒板の上にある丸い時計を見た。「9時10分」。朝のショートホームルームがあるのは、「9時15分」だ。
マリカ、遅いなぁー。もっと早く来れば、人気バラエティ番組よりもおもしろいものが見れたのに。一緒に笑いを共有したかったなぁー。
ユウコは自分の席に坐る。いちばん前の中央の席だ。
目の前には、ミサトがまだ狂ったように泣き崩れている。
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