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『おい、聞いてんのか?』
音をたてないようにおそるおそる後ろを振り返ると、にやりと笑う音成と視線が絡んだ。
背中に乗せていたスマホを取り、斗羽の身体を仰向けにさせるとスマホをベッドボードに置いた。
「何だ、いつから俺のプライベートに興味を持ち始めたんだ?」
音成の顔がゆっくりと近づいてくる。
『は?誰がてめぇのプライベートに興味なんか持つかよ!どうせ教えてやった鍋だって使ってねぇんだろ』
音成は、息を止めて必死に音をたてないようにしている斗羽の胸の前でピタッと止まるとフッ、と笑った。
嫌な予感がしてたまらない。
「使った」
そう言うと斗羽の赤く熟れた乳首を口に含んだ。
「ッ…ふッ………ッ…!」
『マジで!お前が料理なんてぜってぇあり得ねぇと思ってたんだけど!何作ったんだよ』
知らず知らずに全身に力が入って、拘束された腕がみしみしと音をたてる。
高みにおかれたままの快楽が弾けるのは時間の問題だ。
片方の乳首は指先で捏ねられて、片方は舌や歯や唇でしゃぶられて噛まれて吸われて、斗羽はたまらずに頭を振ると身体を強張らせた。
精路を快感が駆け上がってくる感覚がわかる。
ダメだ。イく。「…ック……━━━━ッ!!」
『なぁ?お前マジで何してんの?』
「さぁ、何だろうな」
音成はそう言うとスマホの通話を切り、電源を切った。
音成の下では自分の放ったもので腹や胸を汚した斗羽が、達した余韻でひくひくと痙攣している。
ポロポロと涙をこぼす黒目がちな瞳。
荒く息を吐く唇。
色白で線の細い身体に散々弄られた赤い乳首と白濁に濡れる様が酷く扇情的に映る。
音成は口端を上げるとぐったりとする斗羽の両脚をぐいと開いた。
「上手にイけたご褒美をあげよう」
そうして二人の濃密で濃厚な契約の夜が更けていくのだった。
end.
〈おまけ〉
「あいつ…ぜってぇセックスしてただろ」
矢田さんにはお見通しでしたが、この時はまだ矢田さんと斗羽ちゃんは出会っていません。
この出来事を思い出して矢田さんが憤慨するのはまだまだ先のようです。
ちなみに音成さんがバミューダ鍋で何をお料理されたのか矢田さんは一生知らないんだろうな…
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