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暫くその姿を見つめながら固まってしまった。
ご馳走を前に食らいついてしまいたい衝動が抑えられない。
押し倒して、あの滑らかなうなじに吸い付いて自分の所有痕を沢山付けてやりたい。
ボタンは外さずにシャツの上から乳首を弄ってやったらどんな反応をするだろうか。
噛みつきたくなるくらい細い脚を割り開いて恥ずかしい格好にしてやりたい。
時間をかけてゆっくり嬲り尽くしてやる。
溶けたバターみたいにとろとろに蕩けたら、自分の欲を突っ込んで奥を抉じ開けて、擦って揺すってグチャグチャのびしょびしょの…
「矢田さん…?」
ハッと我に返ると、そこは見慣れたキッチンだった。
目の前のまな板の上には皮の剥かれた玉葱が乗っている。
隣で首を傾げながらこちらを見上げている斗羽は、カットソーにデニムという姿だ。
「疲れてます?僕が作りましょうか?」
「……、あ…大丈夫大丈夫!ごめん、ちょっとぼーっとしてた」
ヤバイ。
最近どうも妄想の世界に入ってしまう。
それもこれも、この隣にいる可愛すぎる無自覚な子のせいだ。
「疲れてたら代わりますからいつでも言って下さい。僕…何もできないけど、矢田さんに何か恩返ししたいなって思ってるんです」
そう言って困ったように笑う斗羽の手には人参が握りしめられている。
「だから…矢田さん…僕…下手くそかもしれないですけど…矢田さんのを口で…したいなって」
「………………」
上目遣いでこちらを見上げてくる斗羽ちゃんは当然矢田さんの妄想なのでした。
end.
〈おまけ〉
「矢田さん…もしかしてお腹痛いですか?」
妄想が酷くなるたびトイレに籠って処理をしてしまう矢田さんを気遣う優しいんだか優しくないんだかの斗羽ちゃんなのでした。
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