和室

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音成家には和室がある。 一見モダンスタイリッシュな洋風の邸宅だが、中庭に面した一角にその和室はある。 六畳ほどの和室は畳独特のい草の青々しい薫りがして、心が洗われるようだ。 古柱と、木枠で囲われた引き戸の障子からは中庭が見えるようになっている。 中庭とは反対の入り口は襖で仕切られているが、モダンなインテリアを崩さないシックな色合いのデザインになっている。 その部屋は音成のお気にいりの場所であり、プレイの部屋でもあった。 中庭から入る柔らかい日差しの中、裸体の斗羽に縄が巻かれていく。 こんな明るい昼間から一糸纏わぬ肉体に縄を巻かれているという凄まじい背徳感。 時々触れる音成の指先。 余すところなく見られているのだ という羞恥心に、顔だけでなく身体も赤く染まる。 音成の緊縛は鮮やかだ。 決して弛まないのに、かといって痛いほど食い込んだりはしない。 それでも肌を心地よく締めつけて、それが快感に結びつくのだから不思議だ。 「みやざわくん、痛くないかい?」 時々こうして甘い声で囁かれると、まだ直接触られたわけでもないのに身体の芯が疼いてしまう。 身体の反応を知られたくなくて瞳を伏せて頷くとクスッと笑われた。
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