気まぐれショートストーリー(新城×瑞希の場合)

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クラブフォリデュースより。 ある日のこと。 「明日から二日ほど取材で県外へ行ってきます」 いつになく真剣な面持ちで、新城が出張を伝えてきた。 瑞希はパソコンの画面から一ミリも目を逸らさず、「そうか」と答える。 「それだけ、ですか?」 無感情かつ無表情な瑞希の反応が気にいらなかったらしい。 新城が不満げに呟いた。 「それだけだ。ただの出張だろ、他に何かあるのか?」 瑞希はツンとした態度を貫くとキーボードに指を滑らせる。 「冷たいですね。恋人と二日も会えないんですよ?もっとこう…会えなくて寂しい、みたいなのはないんでしょうか」 やれやれと溜め息を吐きながら、愚痴をこぼす新城。 瑞希はひくりと顔を歪めると、先程より強めの口調でキッパリ言い放った。 「ない」 「本当に寂しくないんですか」 その時ふわりと空気が揺れて、甘い香りが鼻を擽る。 まずい。 そう思った時には既に遅く。 背後から伸びてきた逞しい腕に抱きすくめられていた。 「…別に」 心臓の鼓動を隠す様に瑞希は殊更ぶっきらぼうに答える。 動揺しているのがバレたら漬け込まれるとわかっているからだ。 「本当に?」 「しつこい」 すると新城は瑞希を強引に背後を振り向かせてきた。 「だってこんな距離で顔が見れないんですよ?」 瑞希は思わず息をのむ。 すこぶる男前な顔が目と鼻の先にあったからだ。 少し角度を傾ければキスもできそうな距離。 熱っぽい眼差しが誘っているかのようにこちらをじっと見つめている。 カッと顔が熱くなったのを感じて、瑞希は慌てて視線を外した。 「……っち、近いっ」 照れている事を悟られないよう、何とか離れようともがく。 だが、うなじを這う生温かいものによってたちまち抵抗する力を奪われてしまった。 それはゆっくり味わうように瑞希の肌の上を滑ると、時折チュッ、と音を立てて吸いついてくる。 「んっ…はっ」 切なげに眉を寄せた瑞希の唇から甘い吐息が漏れはじめる。 その油断を見逃すまいと、今度はシャツの上から乳首を捕らえた。 指先で摘まれながら乳頭を弾かれ、かと思えばぐりぐりと押しつぶし、瑞希を確実に欲情させようとしてくる。 「ほら、こうして触れることも、舐めることもできない」 首筋に歯を立てられ、乳首をこね回され、下腹部に不規則な痙攣がはじまる。 「ぁ…んっ…んくっ…まて、仕事が…っあ、あっ」 逞しい肩に体重を預けながら、最期の悪足掻きを口にした。 しかし、言い終わらないうちに新城の唇が瑞希から吐息と言葉を奪っていく。 まるでトドメのような濃厚なキスに、瑞希はついに背中を震わせた。 軽く達してしまったのだ。 キスと乳首だけの刺激で。 「こんなかわいい声を聞くことも、それを塞ぐキスもできないんです。ね?寂しいでしょう?」 新城は勝ち誇ったような顔で瑞希の唇をペロリと舐めあげた。 甘イキに蕩けた表情をしながらも、瑞希は悔しげに唇を噛む。 何とか仕返しをしてやりたい気持ちでいっぱいなのだが、もはや身体が言う事をきかない。 瑞希は力の入らない手で男のネクタイを引き寄せた。 そして、精一杯睨みつけると(迫力は全くない)言い放つ。 「…っ僕以外の人間に目移りしたら、殺す」 瑞希の悪態に新城は一瞬キョトンとした表情をする。 だがすぐに満足げな笑みを浮かべた。 「あなたのそういうところが本当に愛しくてたまらない」 その後あんなことやそんなことをされ、たっぷり二日分愛されてしまった瑞希なのだった。 end. 【おととなななのちょっとした創作小話】 このカプは素直になれない瑞希の精一杯の悪態が醍醐味なんじゃないかと勝手に思っています。 強気な瑞希と唯一敬語攻めの新城は、書いてて楽しいです。 先に会話から書いていく事が多いカプ。 スケベしまくってるのでいつか二人にはスケベを我慢させたいと思ってたり。 あと、瑞希に新城を襲わせたいなとも密かに思っています。(結末はお分かりでしょうが) 次はおひさなCP!!(予定)
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