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しかし、全く逃げられない。
なぜなら、シートベルトが拘束具となっているからだ。
しかも新城は瑞希の両手をがっちりと握っている。
当然瑞希になす術はない。
「ねぇ瑞希思い出しませんか?」
瑞希の唇を啄みながら新城が囁いてきた。
「前にも一度、似たような事しましたよね」
新城の言葉に記憶がよみがえる。
瑞希が初めて新城へ気持ちを告げた時だ。
あの時も車内で襲われかけたがなんとか食い止めることができた。
「あの日はどうしてもと言われ諦めましたが、実はあれから虎視眈々と狙っていたんです。あなたと車でセックスすることを」
恥じる気配もなくキッパリと告げられて、かあっと顔が熱くなる。
「ば…っ、ばかじゃないのか!?せ、狭いし汚れるだろ!それに…誰かに見られるかもしれないし」
アンダーグラウンドな場所で生きる瑞希はいいが、表では売れっ子作家がこんな場所で淫らな行為に耽ってるなんて万が一にも世間に知られてしまったら大変なことになる。
しかし危惧する瑞希とは裏腹に、新城は平然とした様子で瑞希の服の下へ手を潜りこませてきた。
「狭いからいいんじゃないですか。あなたとの距離がより近くなるでしょう?それに汚してもらって全然かまわないですよ。運転するたび思い出せるんで」
甘い声で囁かれて腰が砕けそうになった。
本当は辞めさせないといけないのに、どうにでもしてほしい気持ちになってしまう。
好きな人に求められたらどんな無体なことでも応えたいと思うこの気持ちこそ、惚れた弱味というのかもしれない。
大人しくなった瑞希の身体に、新城の熱い手が妖しげな動きで這う。
その動きにつられるように瑞希の息も乱れはじめた。
「あ…はっ…っ…んっ」
狭い車内に瑞希の息遣いがいやらしく響く。
自由に動けない身体がもどかしいのに、シートベルトと新城のとめどない愛撫に縫いとめられているこの状況に興奮してしまう。
むくむくとわきあがる欲望は股ぐらにもしっかり表れはじめた。
それに気づいた新城が、服の上から瑞希の股間をやわやわと撫でてくる。
「やっ…さ、さわるなっ…あっ」
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