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指で解されたとはいえ、新城の極太に貫かれると凄まじい圧迫感に襲われる。
しかし、頭ではこんな大きいの挿入らないと思っていても瑞希の肉体はすぐに素直にひらき、新城を迎えいれてしまうのだ。
今思えば、初めて無理矢理犯された時も瑞希は散々抵抗していたが、身体はたちまち従順になった。
クラブ一のサディストである新城の前では、どんなに権力をふりかざしても無駄だと思い知らされた。
本当はもうあの時からこうなることは決まっていたのかもしれない。
憎い相手が恋人になることが…
そう考えると、瑞希の変なプライドと意地のせいでずいぶん遠回りしてしまったなと思う。
もっと素直であれば、もっと思考が柔軟であったら、もっと早くこんな関係になっていれば、もっとこの男と人生を共に過ごすことができたはずだ。
なんだかとてつもなく切なくなってきて、瑞希はきゅっと唇を噛むと新城の肩口に顔を埋めた。
もっと一緒にいたい…
「瑞希?辛いですか?」
新城が訊ねてきた。
吐息まじりの低い声に囁かれると、更に切なくなってきて心が奮える。
瑞希は肩に顔を埋めたままぽそぽそと呟いた。
「だ、大丈夫だ…だから…っその…っ…お前の…」
好きなようにして…
最後の言葉は蚊の鳴くような声だった。
プライドが高く、誰にも屈さない孤高のキング。
瑞希はそう呼ばれ、自分でも一生それを貫かねばならないと思っていた。
だが今やそんな肩書きはどこかに消え、ただの神谷瑞希として存在している。
きっと手足を縛られても、口を塞がれ息を止められても、今の瑞希なら受け入れられるだろう。
車の中という閉鎖空間で、瑞希は新城に身を委ねたいと心の底から思ったのだ。
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