第3話 苦境の初陣

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なるほどな、だから今は時間を止めてもなんとかなるっていう寸法だな。俺は、大人しく薺の解説に耳を傾け続けた。 「逆に、生命体が存在していない場所で歪みが発生したとしたらどうなるか?その場合、マナを凝縮して結晶化したビーズが役に立つ。これは、活力源ともなるし、時には戦闘のための原動力にもなる。攻撃にも回復にも使える電力だと思ってくれたらいいわ。このビーズは、予め結晶化の能力を持つクロノセイバーから受託するか、もしくは自らの魂核を削って愚浪種の生きた核と融合するかのどちらかで入手することができる。いずれにしても、簡単に手に入る代物ではないわ。話が反れちゃったけど、もう一つ、歪みの修復には欠かすことのできないものがあるの。それは、時詠みの術の能力者の存在よ。もちろん、あたしたちでも小さな歪みならば修復はできる。魂核を大幅に削らないといけなくなるけどね。つまり、寿命が縮まるということになる。さっきも言ったとおり、あたしたちは、契約した神のオーラで生かされているだけ。魂核の灯が尽きれば、当然死に至る。でも、まさかこんな近くで、時詠みの術の能力者と出逢えるなんて、思っても見なかったけど。」
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