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そのあともずっと、ママは、颯斗くんの話ばかりしていた。 私は、ただ相槌を打っているだけ。 だって、私が颯斗くんを覚えているのは、 ママがよく、颯斗くんの話をしていたから。 実際の記憶なんて、ほとんどない。 写真とビデオと、ママの話の記憶だけ。 それよりも私は、全然違うことを考えていた。 合格発表の日に見たあの人… なんと、同じクラスだった。 まだ名前も知らないけれど、 あの人であることには間違いない。
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