1.評価制度

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 春休み中の寮内は、いつもの賑やかさが嘘のように閑散としている。寮生のほとんどがドリームランドにいるから、寮に残っているのは。 「お、来た来た! スカート丈良し、ハイソックスもグッド! うん、可愛い可愛い」  元気な寮長と 「よし、出来る限りフォローするから、今日の説明は予定通り咲希中心で頼むな」  面倒見のいい副寮長。 「結坂、あまり優しいこと言うなよ。学園本部の人間がいるんだ、いつもよりチェックされてるのを忘れるんじゃないぞ。お前、変なとこ抜けてるんだから」  一言多い同級生と、 「わかってるって、もう! 柚子先輩、蓮先輩おはようございます! ありがとうございます」  新入生への説明係に選ばれた咲希の四人だけだ。  三年前は園香と柚子が説明に来てくれた。その説明で先端技術科がいいと思えたし、実際入って良かったと断言できる。  視聴覚室には今頃、不安でいっぱいの新入生達が集まっている筈。 「じゃあ咲希、私と慧はこっちでデータ見ながら選別しとくから! 実際見ていいなと思う子、選んで来てね」 「了解しました!」  与えられた大役に、咲希は気合を入れなおした。
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