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「入れ」
その言葉と共に視聴覚室に入れば、九十人の視線が一斉にこちらを向いた。ランク制度とパンフフレットの差がありすぎる部屋に、みんな混乱してるのがわかる。
そんな中でも、容赦がないのが普通科だ。
「では私達からは、より詳細な学園の制度について説明します。パンフレットの八ページ、九ページを開いてください」
「この学園では生徒一人一人に携帯とIDが支給される。IDを使えばランクや小遣い、テスト結果が確認できるし、小遣いの前借りなんかもできる。また、昨年から導入された評価制度もリアルタイムで確認できる。八ページ下に書いてあるのが、評価される項目だ。これを元にランクが決定する」
普通科のAランクの男が示す場所には、新入生には信じられないだろう十二の項目。「こんなので評価されるなんて」「聞いてねえよ」なんてざわめきが、至るところから聞こえてくる。
それを普通科は一喝した。
「うるせえっ!」
いきなりの罵声に、視聴覚室は再び静まり返る。
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